山口高志投手の球がベース通過時点で一番速かった |
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計量計測のエッセー |
山口高志投手の球がベース通過時点で一番速かった イルカショー 写真は挿絵です。本文と連動する意味はありません。 (タイトル) 山口高志投手の球がベース通過時点で一番速かった (本文) 春の甲子園高校野球が始まって勝った負けたの熱戦がつづいている。3月30日日本のプロ野球が開幕した。大リーグは日本より12時間ほど早く始まって指名打者として出場した大谷翔平選手は第一打席でヒットを打った。投手と打者の双方で野球をするという信念を貫く大谷はどれほどの成績をあげることができるか。高校野球とプロ野球を比べると子どもと大人との差が丸見えになる。投げて打って走ってというボールゲームが日本では大人気のスポーツであるが、実際に野球をする人は減っている。 大谷翔平を語るときに速球がついて回る。野村克也氏は大谷翔平の速球を表示する札幌ドームの計測レーダーへの疑問を口にする。身長170cmの山口高志投手の剛速球は大谷より速いという。その証拠は山口投手の速球にはバットがかすらないのに大谷投手の165kmの速球にはバットが当たるからだという。王貞治氏が振ったバットは山口の球の20cmも下をくぐっていた。速球を狙ってのスイングの結果である。このようなことからすると大谷翔平の速球は速いけれども球の回転の仕方など未完成の状態であるといってよい。どのように変わっていくのか期待をしたい。 打者が速球を狙ってバットを振りだしても球の下をくぐってしまうのは予定コースと違うからである。山口高志の球はプレート上で予定コースより上にあり、大谷翔平の球は速くても予定コースを通過する。このようなことで大谷の速球にはバットがあたる。投手の球の速さといっているのは手を離れた瞬間の速度である。初速といってよい。ホームペース上を通過するときの速度は終速である。ナックルボールは球に回転を与えないようにして放るから空気の質量が大きく作用してゆらゆらと揺らぐ。上向きの回転を鋭く与えた球は空気を切り裂くように進むから終速が速い。そして通常の投手の投球軌道よりも上を通過する。このことが王貞治氏のバットが山口高志投手の球の20cmも下を通過する原理である。 初速の測定は投手が球を放す瞬間の指先の動作速度でもあるので動画フィルムを解析することで割り出すことができる。あるときの山口高志投手の初速は時速159kmであった。終速は野村克也氏がいうように大谷翔平の日本記録の165kmより速かったことだろう。山本浩二氏と高田繁氏も山口高志の球が一番速かったという。川上哲治氏は金田正一氏の球が一番速かったという。その球は155kmほどであったが、若い時分のある時にはそれ以上の速度があったのだろう。金田正一氏は左肘が曲がってしまっていた。それとはべつのことなのだろうが肘を使わない投球を晩年にはしていた。担ぐようにして投げていた江川卓氏の投球は140kmでも打者のバットは球の下をくぐった。江川の球は初速は遅くても浮き上がるようにベース上を通過した。青田昇氏と千葉茂氏がバッティングマシーンの打席に立って沢村栄治の投球速度を肌身で体感した。その速度は160kmを超えていた。そらだから日米親善野球でベーブルールやルーゲーリックを手玉に取る投球ができたのだ。 プロ野球という投げて打って走って点を取り合うゲームの開幕にあわせて計測の数字が何を物語っているかを問うた。数字が示されるとそれがすべてを物語ることではない。人の健康の度合いを血液中の成分、体格の成分、数値処理してできあがった画像成分によって単純に比較することが医療の世界で行われていて、その結果に一喜一憂するの現代の人々である。 (誤字、不適切な表現などについてはご容赦ください) |
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